警部は三人の顔を見わたして、
「われわれは、たたかわねばなりません。あの怪物をとっちめて、二度と悪事ができないように、どこかへおしこめてしまうまで、あくまでたたか
香港seo公司わねばなりません。きみたちに、それだけのかくごがありますか」
「もちろんです」
言下にこたえたのは滋である。謙三も、鏡三も力づよくうなずいて、
「警部さん、ぼくたち、……ぼくと滋君とは、はじめから、この事件に関係しているのですから、ぜひともお手つだいさせてください」
謙三がひざをのりだせば、鏡三も勇ましく、ほおをそめて、
「警部さん、ぼくにも……ぼくにも手つだわせてください。あの怪物は、ぼくたち三人兄弟をねらっているのですね。そして、ぼくたち三人の持っている鍵を手にいれ、おとうさんのかくしておいた大金塊をよこどりしようとしているのですね。ぼくはたたかいます。あくまで怪物とたたかいます」
「よし、それで話はきまった!」
その時、そばからさけんだ
柬埔寨旅行團のは金田一耕助。
「それじゃ、ここでわれわれは誓おう。どんなおそろしいことがおこっても、おめず、おくせず、あくまで怪獣男爵とたたかうことを……」
金田一耕助が手をさしだしたので、あとの四人も手をさしのべて、ここに五人はかたく誓いあったのだが、ああ、それにしても、かれらのゆくては雨か|嵐《あらし》か……
こうして、げんしゅくな誓いがおわると、金田一耕助はにっこりわらって、
「さア、そう話がきまれば、まず第一に作戦計画をたてねばなりませんが、それには、なんといっても、剣太郎君と珠次郎君を、さがしだすことが第一です。そこで鏡三君にきかねばならぬが、鬼丸博士は剣太郎君を、どこへかくしたのですか。いや、そのまえに、きみはどうして、タンポポ.サーカスからにげだしたのです。サーカスのひとたちが、きみをいじめたのですか」
鏡三はつよく首を左右にふって、
「いいえ、そんなことはありません。団長も力持ちのおじさんも、みんな、といがってくれました」
「それだのに、どうしてきみは……?」
「鬼丸博士にだまされたんです。あの日、鬼丸博士がやってきて、兄弟にあわせてやろうというものですから……そうです。ぼく兄弟があることを知っていました。三つ子だとは知りませんでしたが、ふたごのように、よくにた兄弟があ
陶瓷曲髮ることを知っていたんです。どういうわけか、小さいときにわかれてしまったんですが……」
「なるほど、それで、鬼丸博士につれられて、軽井沢へいったんだね」
「そうです。しかし、鬼丸博士は、ぼくを兄弟にあわせようとせず、ゴリラの|剥《はく》|製《せい》のなかに、ぼくをかくしたんです」
「あっ、それじゃ、いつかの晚、ろうかを步いていたゴリラというのは……?」
滋がさけんだ。
「そうです。ぼくでした。ぼく、剣太郎にいさんがこいしくて、ときどき、そっと顔をのぞきにいったんです」